塩谷哲ピアノコンサート 2010 in Hakuju(東京・白寿ホール・2010/10/29)

「塩谷哲 ピアノコンサート 2010 in Hakuju」
日時:2010年10月29日(金)19:02~21:18(休憩14分)
会場:東京・白寿ホール
出演:塩谷哲

白寿ホール1日目(2日目のレポートはこちら

【演奏曲目】

曲名 作曲者 主な収録アルバム
01 Yardbird Suite Charlie Parker Charlie Parker「Yardbird Suite」
02 Always And Forever Pat Metheny Pat Metheny「Secret Story」
03 That’s The Way Life Goes 塩谷哲 「88+∞」
04 A Night In Tunisia Dizzy Gillespie、
Frank Paparelli
Charlie Parker
「The Best Of Dial Years」
05 Delicious Breeze 塩谷哲 (未収録)
06 Setembro
(Brazilian Wedding Song)
Ivan Lins,
Gilson Peranzzetta
「Wishing Well」
07 Jerash 塩谷哲 FOUR of a KIND
「FOUR of a KIND II」
(休憩)
08 Passage 塩谷哲 「トリオっ!」
09 即興演奏「秋の気配」 塩谷哲 (未収録)
10 Wishing Well 塩谷哲 「Wishing Well」
11 Black Orpheus Luiz Bonfa 「Black Orpheus」
The Original Sound Track
12 Giant Steps John Coltrane John Coltrane「Giant Steps」
~ 88+∞ 塩谷哲 「88+∞」
13 Magic,Dream,or true love? 塩谷哲 「88+∞」
(アンコール)
14 Here,There And Everywhere John Lennon、
Paul McCartney
「Wheelin’ Ahead!」

【曲別感想、おおよそのMC項目】

(19:02)

黒ずくめのシャツ、上着、ズボンで登場。
白寿ホールだと服装もさすがに改まるのでしょうか?
今日の演奏もそういう感じでした。

顔がよく見える席でした。こんなに観察できるのは久しぶり。

1.Yardbird Suite

やっぱり白寿はいい音です。1つの音を聴いただけで再認識。
ピアノもそれを楽しむように軽い感じ。アップテンポで進みます。
なんか肩慣らししてるよう。どんどん弾けるのが楽しくてしょうがない、みたいな。

2.Always And Forever

かすかな音から始まるバラード。
2曲続けてスタンダード曲です。
今日はなにかそういう感じです。会場の雰囲気、ピアノの響き、久しぶりの白寿がそうさせているような。

スローに進んで聴き惚れてしまいます。
右手が奏でるメロディが美しい。

ソルトさんが大きく息を吸う音が聞こえます。
1つの音も聴き逃さないぞ!という客席。
いいステージ、いい演者、いい観客。

でも、ソルトさんがこういう曲を弾くのは本当に珍しいです。
遠征した甲斐があったかな?

最後の1音まで丁寧に弾き上げて、エンド。

MC

・今日は普段弾かない曲を弾こうかなと思っています。
・今日と明日はここでソロ。あさってはファンクラブの会員に皆さんのピアノ発表会なんです。3回目。すごく楽しみです。僕以上に僕の曲を理解してくれています。ぜひ聴きに来てください。発表会で弾く人も今日か明日は来てくれている人もいると思うので、インスピレーションを送れたら、と思います。
・今日はいつも弾かないような曲を弾いてみたいです。次はオリジナルを弾きたいんですが(手元の曲リストを見ながら)これなんか、どうです?って言ってもわからないよね。「M5 哀愁」と書いてある曲。ギターのカッティングから始まる曲です。

3.That’s The Way Life Goes

カッティングのイメージで指を鳴らしながら、ピアノに入ります。
懐かしい曲です。ソロで聴くのは初めて?
ソルトさんのファンになりたての頃を思い出します。

いい曲です。メロディもスッと入ってきていい感じ。
だんだん盛り上がっていくところもいいです。
どう展開していくのかとても楽しみ。

メロディの随所にソルトさんらしさが出ています。
指を鳴らし、足でステップを踏み、手拍子も入れながら。
ソロピアノだけでなく、体全体で表現。

この曲ができた当時はこういうことは見られなかったです。
今はそれが自然体。
前に作った曲にこうして新しい生命を与えられるというのは素晴らしいことだと思います。
ソルトさんもきっとそう感じてるのではないかな?
そして、それに原体験として立ち会えている私自身も、なにかほっこりします。
思い込みが強いだけかもしれませんが。

再びメロディにスローに入ります。
いろいろ遊びながら。フレーズもいろいろ入れながら。

ソルトさんの過去と現在を一気に感じられた演奏でした。

4.A Night In Tunisia

低音が刻まれます。繰り返されるメロディ。
再びスタンダードです。今日はこういう感じなんだな。

雰囲気は変わってスローに。
また盛り上がってきて、一転して低音が頭上から降り注いでくるよう。
最後まで響く低音が印象的でした。

MC

・(演奏が終わるのを待って席に着くお客さんを見て)いらっしゃい!まだ1曲しか弾いてないよ。
・今日はどんどん弾いてます。バッハのインベンションとかは、いろんなところで弾いてるから、もう弾き飽きたんです(笑)
・次はトリオのために書いた曲。4ビートの曲を作りたかったんです。
・今日は前半はジャジーですね!そういう感じなんです。

5.Delicious Breeze

今日もこの曲は弾いてくれました。嬉しい。
白寿でソロで聴くこの曲。
でもトリオだからこう、デュオだからこう、ソロだからこう、とはっきりと言えないのです。
私の耳が劣っていることもあるでしょうが。
なんかこの曲にはそういうものを超越した自由さ、楽しさが感じられます。
それプラス、ソルトさんらしい音や奏法が至る所に感じられて、楽しくなってきます。

トリオなら最後にピアノの縁を叩いて終わるところ、今日もピアノが自然にポロローンと鳴って最後にピッと鳴って終わりました。ここがかわいくてつい微笑んでしまいます。

6.Setembro

この曲も随分と久しぶりです。イヴァン・リンスの名曲で好きな曲。
イントロで「わーー!」と心の中で叫びました。

ゆっくり進んでいきます。やっぱりいいメロディ。いつにも増してジャジーです。

弱くなって、強くなって、強弱入り混じって。
どんどん引き込まれていきます。
盛り上がる前のところなんて、もう!
そう弾くか!進化したソルトはそう弾くのですね!という感じです。

メロディの繰り返しに入ります。
2度目はドラマチック。
3度目は大きく、強く。
4度目はさらにさらに強く。白寿にピアノが響き渡ります。

そして5度目は急にやさしい音。ソルトさん特有のやさしい音です。
もう、この落差に、泣かされました。
この人すごい人だな、と再認識。

そして小さくなって、エンドです。

このことを握手会でソルトさんに伝えました。
ソ「曲が素晴らしいからね」
私「いや、素晴らしいのは弾いてるソルトさんです!」

曲も演者も素晴らしい、名演でした。

MC

・イヴァン・リンスの「セテンブロ」という曲でした。なんて美しい曲なんでしょう!イヴァン・リンスはブラジル人。ブラジルという国は文化の混じり具合が絶妙で、西洋のエッセンスも混じっています。弾きながらグッときてしまいました。いつもより2割増で弾きました。
・もう秋ですね。風邪ひいてませんか?僕はちょっとヤバイけど踏ん張っているという状況です。こういうイベントが心の張りになっています。
・今年は秋が短いのかな?紅葉はこれから?かと思えば台風が来てます。遅いですよね。
・次の曲は「ジェラス」という「FOUR of a KIND」のときに作った曲です。この曲で思い出すのは中東ツアーで遺跡の上で弾いたことです。弾いてる途中でお祈りが始まってみんなぞろぞろ帰っていってしまったんですが、お祈りが終わればまた戻ってきて、演奏をやめなくてよかったなと思いました。

7.Jerash

これもとっても珍しい曲です。今日はこういう日で私はなんだか嬉しい。
イントロからスッとメロディへ。この曲もいい曲です。心地いい。

展開部は左手で刻まれる音が印象的。
ソルトさんにはジェラスのどんな風景が見えているのでしょう?

メロディに戻って、ゆるく、強く、強く、・・・
波が寄せては消えるようにしてエンド。

(20:02~20:16 休憩)

8.Passage

曲リストを見ながら腕を組み考えて、破壊的な感じで進みました。
Spanish Waltz?というフレーズもあり。
やがて馴染みのあるイントロが顔を出してきて、この曲だとわかりました。
これも久しぶり。好きな曲です。

東洋風のテイストのところがあって、攻めて、破裂して・・・(←あくまでも私のイメージですが)
展開部で鳴っている「タンタン、タンタン、・・・」というシンプルなリズムが心地いいです。

リフもいいです。
そこから全く違うところに行って戻ってきたりしています。
弾いてますねえ、今日のソルトさん。

最後のメロディへ。
強く響いて終わりました。

MC

・おもしろいハーモニーの曲です。今の季節に合った、物思いにふける曲。
・僕だって物思いにふけることがあります!今日はダジャレを1回も言ってません!「スタジオパーク」に出てから「ダジャレピアニスト」と呼ばれてるんですが。今日はふざけられない気分です。
・今日はあまり弾かない曲を弾いてます。どれ弾くか迷いますねえ。白寿ホールですからね。「(音を1つずつ弾いて)ポロン、ポロン」ほら!あ、さっきと響き方が違う。きっとみんながいるからだ。冬の服は音を吸うんですよ。ふかふかの服着てるなとか、髪の毛が長い人が多いなとか、弾くだけでわかっちゃったりして。
・次は即興演奏にします。何を弾くか決めてませんけど。タイトルは・・・んーと、「白寿喝采」?・・・「秋の気配」にします。

9.即興演奏「秋の気配」

タイトルに影響されてしまったからかもしれませんが、はらはらと葉っぱが落ちていく感じがします。
今日はそんな夜です。

しかしそれだけでは終わらず、落葉にしては強い。
気がつけば秋の嵐のよう。
台風のイメージ?

嵐はやがて過ぎ去って、スローな秋に落ち着きます。
もうすぐ冬。

即興演奏のレポートは特に難しいです。。

10.Wishing Well

この曲もずいぶん久しぶりです。
今日はイントロが聞こえてくるたびに「あっ」「えっ」と小さな驚きがあります。

即興から続いている感じでやさしく、ゆっくりと。
オリジナルはストリングスが美しい曲。
その世界観はそれとしてありますが、ピアノソロで表現されている今日の空間にも納得です。

やがてだんだんと力強くなってきました。
ソルトさんらしい運び。

最初のメロディに戻って、また元の空間に。
やさしく、小さい音まで大事にしながら、エンド。

MC

・これも久しぶりに弾きました。(リストを見ながら)次はこれ弾いてみようかな?(口でパーカッションのようにリズムをとりながらピアノを弾きだします)
・(それをやめて思い出したように)「東京JAZZ」でアル・ジャロウと同じ日だったんですよ。素晴らしかったです。楽屋が僕らと向かい同士で隙間から中が見えたら、上半身裸でした。「立つんだ、ジョー!」みたいに。ステージも最初は「ああ、アル・ジャロウもおじいちゃんになったのかなあ」と感じたけど、だんだんよくなってきてさすがでした。奥が深いです。

11.Black Orpheus

再開された口パーカッション&ピアノからこの曲へ。
耳馴染みのある曲ですが、タイトルが最初はわかりませんでした。

左手のリズムが心地いい。
軽いけど、どこか哀しげ。
右手は次第に強くなっていき、メロディアス度が増します。

このあたりからメモをとる量が減っています。聴き惚れていたのでしょう。どうかご容赦を。

12.Giant Steps ~ 88+∞

ソルトさんの「Giant Steps」私が聴くのは初めてだと思います。
今夜は徹底的にこの路線のようです。

ソルト音が散りばめられて、たまりません。
低音で攻めている感じを受けました。

そしてなんと「88+∞」に繋がりました。
SALT BANDでも演奏しただろうか、これ。ライブで聴くのはおそらく初めて。

この曲は個性的な(変わってる?)曲です。
私はこういうこだわりの曲、好きなんです。「ゲノム」とか。
ソルトさんしか書かないんじゃないでしょうか。

シンプルなフレーズの繰り返しの曲なんですが、オリジナルではビブラフォンに続く楽器がいろいろ変わって(ハーモニカ、アコーディオン、もちろんピアノ、・・・)楽しい曲です。
まさしく鍵盤の数(88)プラス無限大(∞)。
この感じを出すのはライブでは難しいので、生では聴けない曲だと思っていました。

よく考えると「Giant Steps」も繰り返しの曲で、だから繋がったんだ!と後でわかりました。

ライブで聴く「88+∞」、ソルト音満載の繰り返し。
今弾くとこうなるのか~と圧倒されました。
メモとる余裕もなかったようです、私。

もう一度聴きたい!

MC

・和音だけがどんどん変わっていく、おもしろい曲でした。

13.Magic,Dream,or true love?

今度は膝をパーカッションのように叩きながら入っていきます。
この曲も最近聴いてませんでした。
懐かしいです。ファンになりたての頃の記憶がよみがえるみたいな。

強く響くサビ。
せり上がりのところで流れ星のような旋律も混じります。

展開に入って、左手はベースのようにリフの繰り返し。
強くなって盛り上がって、サビに戻ります。
もう、全開!手を叩きながらソルトさんもノッてます。

最後へ向けてメロディアスなメロディー。
盛り上がって、盛り上がって、力強くエンド。
本編最後の曲はやっぱりこうですよね。

アンコール

MC

・すぐ出てきてくれたソルトさん。
・来年1月に渋谷区の新しくオープンするホールでコンサートをします。(2011年1月29日、渋谷区文化総合センター大和田 文化ホールさくらホール)多分失敗するでしょう(笑)
ブログも毎日更新してますので・・・1か月ぐらいしてないや。
・今年も12月23日にはSaltish Nightがあります。ヤイコ(矢井田瞳さん)は出産して今はレコーディングしてるそうですけど、復帰して生で歌うのはこれが初めてになるんじゃないかな?本人に確認しときます。確認してブログで発表します(笑)
・最後はトリオのアルバムに入れた、ビートルズの曲を。

14.Here,There And Everywhere

最後まで最近の定番を外した選曲!
この曲も久しぶりでしたが、クールダウンにピッタリのしっとりできる曲です。

ゆっくりと白寿全体に響くメロディ。
やっぱり、何度聴いてもいつ聴いても、いい曲です。

溢れだした感情をグッと抑えて最後のフレーズへ。
静かに今日のライブも終わりました。

(21:18)

久しぶりの白寿ホールでした。
音はもう秀逸。音の違いに疎い私でもわかります。
西宮や名古屋とはまた違った、気分がシャキッとする会場なのかも。

その影響があったのかは不明ですが、最近あまり弾かない曲オンパレードのソロ。
長年のファンには嬉しい試みで、今弾くとこうなるのか、と新たな発見ができました。

白寿ホール2日目のレポートはこちら

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