塩谷哲トリオ(STB139)2日目

「塩谷哲トリオ」
日時:2009年2月11日(水・祝)19:05~21:41(休憩15分)
会場:六本木・STB139
出演:塩谷哲トリオ:塩谷哲(pf)、山木秀夫(ds)、井上陽介(b)

セットリスト(8.即興演奏のタイトルを除いて1日目と同じ)

1.Speak Our Language? / 「トリオっ!」
2.Mingle Jingle / 「Wheelin’ Ahead!」
3.Deep Affection / 「Eartheory」
4.Morning Bliss / 「Eartheory」
5.Teen Town (Jaco Pastorius) / 「Wheelin’ Ahead!」

休憩15分

6.Don’t Know Why (Nora Jones) / 「solo piano = solo salt」
7.Englishman In New York (Sting) / 「Wishing Well」
8.即興演奏「塩分ひかえめ」
9.Mr.Madonna / 「solo piano = solo salt」
10.To Be Stars / 「Eartheory」
11.Spanish Waltz / 「Duet with Makoto Ozone」「Eartheory」

アンコール

12.Hard Cookie Dance / 「Eartheory」
13.Preciousness / 「solo piano = solo salt」

※以下、あくまでも私個人の感想です。よろしければお付き合いください
※MCのところは、大体このような内容だった、ということを書きました。また、全ては書ききれておりません

トリオのライブ2日目です。
全体の感じは昨日でつかめたので、今日はより詳しく見れるかどうか。
1日目のレポートとほとんど同じになったら、すみません。

祝日ということか、開演1時間前からほぼ満員です。
ドラム側のカウンター2列目の2番目で見ました。

ソルトさんは白いシャツに黒のズボンで登場。
3人がチューニングをしています。
笑う3人さん。
誰から始めるか譲り合ってるのかな。

1.Speak Our Language? / 「トリオっ!」

ベースのズシーンとしたフレーズから始まります。
シンバルが加わり、ピアノがメロディに。

ベースとドラムの重厚な下支えは心地よく、安心感があります。
ジャズだなあ、と実感。

ピアノはソロになるとそこからだんだんと自由になっていきます。
のびのびと弾いています。
低音から高音、高音から低音。
たたみ掛けたりブレスを入れたり。
気づくと熱くなっていて、ドラムとベースも自然と熱く。

サビの盛り上がりのあとにできる間。
効いています。

ピアノとベースが掛け合い。
ソルトさんは笑って楽しそう。
今日は6回続きました。
ピアノが激しく誘いますが、ベースは少し抑え気味でしょうか。

ソルトさんからの合図で静かに終了。

2.Mingle Jingle / 「Wheelin’ Ahead!」

ピアノのメロディにシンバルとベースが入ります。
軽快さにウキウキしてきました。
さっきとは雰囲気がガラリと変わります。

繰り返されるメロディ。
徐々に高まって3人同時に弾き乱れ~ババババババ~ン。

ピアノによる展開。
粘ります。
今日は高音にこだわりを感じます。
高音の連打。山木さんはソルトさんを見ています。
ソルトさんは頭を上下に揺すりながらプレイに没頭。

途中で感じがちょっと変わる瞬間、私の好きポイントが来ました。
ゾクッとします。
またそこから上り詰めます。
うなずいて合図して、ドラムのソロへ。

ピアノとベースはシンプルなフレーズの繰り返しで応えます。
ドラムはときどき間を取りながら、両手は激しく動き、会場に響きます。

今度は静かに始まったベースのソロ。
両手の指が正確に素早く弦をとらえています。
指がつらないものなのでしょうか。
ソルトさんを見ていてもそう思います。
つったりしないようにたくさん練習しているのだろうな。

歌っているようなベース。
歌詞まで聞こえてきそう。
ブレスも息継ぎのように思えて、効果的です。
ピアノのさりげない伴奏も、とても心地いいです。

そして再び3人同時に~ババババババ~ン。
陽介さんが「無事に終わった~」という表情。
その顔を見るのが私の密かな楽しみです。

そこからもう一度盛り上がって、また3人同時があって。
間髪入れずにベースとドラムは急に鳴り止み、メロディアスなピアノのみになります。
ソルトさんらしい音、流れ。
ドラムもベースも徐々に帰ってきます。

エンディングに向けて、ピアノは今日はブレスを繰り返し交えながら。
そのブレスにベースの音が浮き上がります。
静かになっていくピアノ。
スティックのリズムが耳に残ります。
かわいらしく、3人一緒にエンド。

MC

・トリオの千秋楽です。ソロアルバム発売記念トリオコンサートです(笑)
・「Speak Our Language?」はトリオで作った最初の曲で、ワクワク・ドキドキしたのを思い出します。
 トリオの最初の曲がベースから始まるというのもボクのいいところですね。
 この3人で演奏できる幸せを感じます。
・メンバー紹介しましょうか。今日は喋ってもらいましょう。
 (と、ソルトさんがマイクを渡そうとすると2人がステージ後方へ逃げます。が、観念して陽介さんにマイクが)
・陽介:「音遊人」のカメラが録ってますのでみなさんの拍手が流れるかもしれません。私への拍手も入りますので(笑)
・山木:そんなウケる話の後で・・・。私は受け皿ですから(笑)
・トリオは本当に自由なんです。ギターがいたらハーモニーが重ならないようにしないといけないんですが、3人だけなら弾きたいように弾けます。
・次の曲のように深遠な世界も表せます。

3.Deep Affection / 「Eartheory」

ピアノがスローに始まります。
大切に、一音一音確かめるように。
ソルトさんの息づかいが聞こえて、3人でメロディに。

ピアノが作り出す間。
情感がこもっています。
ベースもシンバルも全体を包み込みます。
本当に深遠な世界。

展開していくピアノ。
ベースのサポートも自然に耳に残ります。
ドラムとベースの支えにしっかりと乗って、ピアノは何かを伝えようとします。

ベースのソロは静かに始まって、徐々に艶っぽく。
サビのピアノにはソルトさんの優しい音が混じっています。
そこに絡みつくようなベース。
本当にいい曲です。

間があってから、ピアノのみで最後のメロディ。
2人が加わって、より高ぶります。
さりげないシンバルも印象的。
再びピアノのみになって、ゆっくり、丁寧に曲を締めます。

4.Morning Bliss / 「Eartheory」

ソルトさんは下を向いたまま、何かに集中しているように見えます。
静かなイントロダクションがあってから、この曲のメロディへ。

今日は少しくずれめな感じかな。
でも次第に力強くなってきました。

山木さんの「シャキーン」という音が合図かのように、今度はベースがメロディを奏でます。
この「ピアノでメロディ~ベースで同じメロディ」という流れも、私がトリオを好きなところです。

そしてまたピアノに戻ります。
増幅されたように、大きくなって。

ピアノは優しく展開を始めます。
ここらへんのメリハリは、ソルトさんの自由自在な手の平の中で転がされているような気さえします。(いい意味で)

心地いい朝のイメージ。
ベースもドラムも聞こえてくる、穏やかな朝。
休日の朝かな。
その中を自由なピアノ。
ブレスが印象に残ります。

ドラムとベースが止まって、ピアノがメロディを。
エンディングが近いことがわかります。
再び3人になって朝が終わります。
ソルトさんからなぜか笑みが。

ピアノはだんだん微かになって、フェイドアウト。

MC

・楽しいなあ~。いろいろハプニングがありまして、この曲も昨日と違う構成になってしまいました。
・この3人だからこそできるんです。
 (山木さんから「その通り!」の声)
・テレビの「音遊人」のカメラが密着してまして、カメラっていないと寂しいもんですね(笑)
 カメラがあってもだんだん素の状態になってしまいます。それが狙いなのかな。
・ミュージシャンは普通の人ですからね。テレビ見てがっかりしないでね。
・(山木さんが2階のテーブルに手を振って)「友だちが来てる」
・次はジャコ・パストリアスの曲です。彼のファンキーさに惹かれるものがあります。
・彼は同じような曲が多いですね。好きな曲をたくさんやりたいのかな。ベーシストってそうなんですか?あまり変えたくないの?
 陽介さん「変えたくないの」
 (山木さんが陽介さんを注目)
 陽介さん「軽蔑の目で見てる~(笑)」
 山木さん「違うよ~。尊敬の目だよ」
・それではベースをフィーチャーしてお送りします(笑)
 陽介さん「えっ!」

5.Teen Town (Jaco Pastorius) / 「Wheelin’ Ahead!」

ベースではなく、ドラムから力強く始まりました。
小さく和音で応えるピアノ。
ドラムは続きます。
ベースも小さく、ピアノも軽く。

ドラムはテンションを維持してくすぶっています。
山木さん、カッコイイ!
そして、溜め込んだエネルギーを3人で一気に爆発させてサビへ。

それからもドラムのリズムが効いています。
ベースはフレーズの繰り返し。
ドラムはドンドン鳴っています。
ベースのリピート3回、リピート4回。
ソルトさんが指を折って合図しています。

今度はドラムがメイン。
こちらもリピートへと移っていきます。
1回、2回、3回、4回、ソルトさんの指が示します。

最後に向けてピアノとベースが同じメロディを合わせて弾きます。
もう最高潮。
尋常ではないエンディングのドラムの熱さ。
なぜあんなに動く山木さんの手!
そして3人同時に、急に音が止まってエンド!

今日も決まりました。カッコよすぎる!

(20:00)

休憩15分

(20:15)

6.Don’t Know Why (Nora Jones) / 「solo piano = solo salt」

ソルトさんのみ登場。
小さいが優しいプロローグ。

馴染みのあるメロディが次第に強くなっていきます。
ピアノだけでも映える曲だとあらためて認識。
ソロアルバムが楽しみです。

間奏で弱くなるピアノ。
よく考えると、シンプルな曲なのにブレスもよく入っています。
不自然ではありません。
それも曲の一部。印象に残ります。

ここで何度も書いていますが、ピアノだけとは思えないのです。
こちらの想像が膨らみすぎなのでしょうか?
いや、想像とも違うのだけどなあ。
もっと感覚的なもの。

時折混じる優しい音。
そこからまた力強く訴えてきます。
左手の伴奏もソルトさんらしい。

山木さんと陽介さんが音に合わせながら登場。
無理矢理っぽいその動きがおもしろい。
そして参加。
ピアノは今度はトリオの中での展開です。

自由に弾いてるなあ、というのが伝わってきます。
基礎的なリズムは2人に任せて、という音楽的なこともあるでしょう。
でも、もっと気持ち的に自由になっている感じがします。
さっきまでと違うようで同じようで、やっぱり違うな。

エンディングに向けてピアノで高音の「ピ!」という音がメロディに混じって定期的に繰り返されています。
何でしょう。昨日はなかったよ。
その「ピ!」で曲が終わってソルトさんから笑み。

7.Englishman In New York (Sting) / 「Wishing Well」

ピアノから軽く始まります。
山木さんのスティックのリズムが耳に残ります。
メロディに入るピアノと低音のベースの調和。

この曲もシンプルですが、いい曲、好きな曲です。

ピアノは静かめに展開に入ります。
ベースとドラムのリズムが響き、全てそこに任せているような。
次第に強くなって、メロディに戻って。
なんかメロディが今日は違っていて、そこが盛り上がりを見せています。

また優しくなるピアノ。
浮かび上がるドラムとベースのリズムが心地いい。
ピアノはさりげない中に熱さがこもっています。

小さく優しくフェイドアウトしてエンディング。

MC

・こんばんは。二部の始まりです。
・「Don’t Know Why」は名曲です。シンプルがゆえに伝わるものがあります。
・3/4にソロアルバムが発売になります。

・ソロアルバムを出すのは臆病になっていて恐かったんです。
 ごまかせないでしょ。普段ごまかしてるわけじゃないですけど。
 ダビングもなしで録りました

・去年ピアノソロのツアーをしまして、特に東京では白寿ホールで6か月毎月やりました。
 その経験が大きかったです。
・毎月同じ事できないでしょ(笑)。毎月来てくれる人もいるし。
 今月はどうしようかと思っていろいろ試したり。
 心持ちを置く場所を探してたんですね。コントロールが必要でした。
 そしてわかったことは「感じたことをそのまま弾くしかない」ということです。
・ソロアルバムは去年の暮れから4日間で録音しました。
 組曲も書きました。「工場長の小さな憂鬱」というタイトルなんですけど。
 ブログで曲名のクイズを出しまして、その中にもいいタイトルがいろいろありました。

・アルバムのタイトルは「solo piano = solo salt」
 言いにくいでしょ。みんなで言ってみましょう。ハイ。
 (客席、ゆっくりめに言う)
 遅いよ!(笑)
 (ピアノで「solo piano = solo salt」と言ってるような節を素早く弾いて)こんな感じ。
 (ピアノがもつれて)弾けねえ~(笑)
 (陽介さんがベースで「solo piano = solo salt」と弾く)
 (山木さんもドラムで「solo piano = solo salt」と鳴らす)
 そうそう、そうですね(笑)

・ソロコンサートでは即興演奏というのをしました。
 今日のタイトルは何にする?
 あ、今日は3人で即興をします。
 ピアノが一通り弾いて次にベース、次はドラム、という流れだけを決めておいて。
 (間があって、客席から「塩分ひかえめ」の声)
 塩分ひかえめ!?
 では、血管の中を流れている塩のイメージで。

8.即興演奏「塩分ひかえめ」

血管の中を流れているようなピアノ。
なんか、ホントにそう聞こえるんです。
ベースもコミカルな音を出しています。

ピアノが「ドキ、ドキ」と心拍音を表しています。
また流れ出しました。

すると大きく雄大なベースの弓。
これは何のイメージでしょう。
シンバルが1回大きく響きます。
スローな弓。
ピアノがそれに応えます。

弓が「ピーポー、ピーポー」と救急車になって、客席から笑い。
ベースのテンポが出てきて、動き出します。
ピアノとメロディが合っています。
即興なのに、なぜ??

細かく刻まれるドラム。
3人での掛け合いが始まります。
同じメロディを弾いたり、掛け合いになったり。

ソルトさんと山木さんが目くばせしながら、何か弾いています。
どうやら「solo piano = solo salt」と弾いてるよう。
三人三様で音が鳴り、「solo piano = solo salt」で終わり。

MC

・いつの間にか「solo piano = solo salt」が出てきました。
・次は「Mr.Madonna」という曲です。
 最近はこういう人も増えてきまして、性の垣根を越えていますね。

9.Mr.Madonna / 「solo piano = solo salt」

この曲はソロアルバムのためにソルトさんが書いた曲であるのに、昨日のトリオの演奏で会場も3人も予想外?に盛り上がりました。
こういう曲を書くのもソルトさん、上手いです。
まるでトリオのための曲みたい。

ピアノのみで軽快にスタート。
昨日の今日なのでワクワクしてきました。
一通りのメロディの後、2回目からはベース・ドラムも。

せり上がりのところがいいです!ウキウキ!
3人とも乗ってきたのがわかります。

ピアノによる展開。
高音を苦しそうな顔をしながら弾くソルトさん。
盛り上がってきたらこうなります。
この音をもっと出したい!のような。

そして3人で展開していきます。
展開、展開、としか書けない表現力のなさをお許しください。
なんか、トリオならではの、この3人ならではのプレイです。
激しいですが、すごく心地いい。

ベースが支えてピアノが粘る。
また苦しい顔のソルトさんからは彼らしい音が聞こえます。

そして静かになって、ベースのソロへ。
とってもメロディアス。
左右の指は上下に激しく、ベース自体も前後に揺らしながら、陽介さんの熱演です。
引き込まれます。
チョッパーも混じりました。
たっぷりと続くソロ。

エンディングに向けてピアノのメロディ。
3人で強く大きくなっていきます。
この気分のよさはトリオの真骨頂!
客席も3人もノって、3人がそれぞれ盛り上がって、エンド。

MC

・トリオのために書いた曲のような気がしてきました。
・次の曲は陽介さんの曲です。
 陽介さんは実はロマンチックなんだということがわかります。

10.To Be Stars / 「Eartheory」

ピアノのみで始まります。
充分に間を取って、優しい音。
ちょっと泣きそうです。
さっきまであんなに激しく弾いていたのに、なぜそんな音が出せるのでしょう。

2回目のメロディからシンバルとベースが入ります。
短いベースソロのパート。
純朴に心に響きます。

それを受けて感じたピアノにも情感がこもります。
そして本格的にベースのソロへ。
ゆっくりとボーカルのように語るベース。
前曲とは別の楽器みたい。
トリオの表現力の深さですね。

続いてピアノソロ。
夜空の星に届けるピアノの音。
いい曲だなあとしみじみ思います。
メロウという言葉がぴったり。

エンディングへ向かう3人。
いつの間にかピアノだけが残って、スローに、大切に・・・

終わるかと思うと強い音。
クラシカルな香りも漂います。

11.Spanish Waltz / 「Duet with Makoto Ozone」「Eartheory」

シームレスでこの曲へ。
強くて大きく、この曲だとわかるリズム。
ドラムとベースも入ります。
3人でワルツを踊る準備をして。

とうとうメロディに突入しました。
ドラマチックなピアノの調べ。
山木さんの手も忙しくなります。
力強いベース、でもブレスもあります。

展開に入ったピアノは熱いのだけど、まだ抑え気味。
強いのだけどブレスもある。
ベースやドラムに引っ張られてでしょうか、徐々に音は多くなり大きくなり、もっと強くなります。

最高潮に達したときのドラムの迫力にハッとしました。
ドラム側の席だったからでしょうか。

曲調が突然スローにピアノソロになるところがきました。
(勝手に映画の回想シーンと呼んでいます)
いつ聴いても何度聴いても、ここでグッときます。
いえ、だんだんグッとくる度合が増してきました。

優しい音、充分に取られた間合い。
ワルツの一時の休息。
ソルトさんは何を思ってこの箇所を作曲したのでしょう?

そこに絡む陽介さんの弓の伸びやかさ。
ベースの音の奥深さ。
ピアノとゆっくり掛け合った後、シンバルの合図で曲調が戻りピアノがまた踊る体勢に入ります。
このシンバルも印象に残って好きです。
ホントになぜこういう曲を書けるのでしょう?

エンディングへ向けてメロディが高まる中、山木さんからはいろんな音が出ています。
ここからの3人のプレイはいつも圧巻、弾きまくっています。
ベースとドラムに負けない、力強いピアノ。

今日もドラマチックにエンド。
素晴らしい演奏でした。

アンコール

MC

・盛り上がってしまいますねー。2人のエネルギーをモロに感じます。
・大儀見元が言ってたことです。
 「1人でやってると一人のグルーブ感しかないけど、3人だとたとえダビングであっても3人のグルーブ感が出る」
 その通りだと思います。
 それを受けながら、どんどん行ってしまいます。
・これからもこのトリオで、アルバムとかのリリースがなくても時々集まってやっていきたいと思っています。
・次の曲も陽介さんの曲です。
 クッキーという犬、ミニチュア・シュナウザーでしたっけ?村山元総理みたいな顔をしてるんですけど、その陽介さんとこの犬が踊ってる姿を思い浮かべながら聴いてください。

12.Hard Cookie Dance / 「Eartheory」

ソルトさんが「ワン、ツー、ワン、ツー」とリズムをとって3人一斉にスタート。
ベースの低音のリズム、ベースのサポートが利いています。
メロディを弾くピアノですが、何か爆発する機会をうかがって抑えて2人を見ているような。

テンポアップして3人同時にせり上がっていくところが、すごくいいです。
わくわくします。

陽介さんの弓が続きます。
今日は何か違うバージョンから始まりました。
どう違うのかメモってないので書けません。すみません。
いつしか普通に戻って、自由な演奏。
ジョーズのフレーズが混じったりして、笑いを誘います。

今度はピアノがメイン。
ラテンっぽさがところどころ感じられます。
この曲はラテンになりやすい。
激しい演奏。細かくきざまれた音。

盛り上がりの途中で、少しだけカクンと落ちるようなところがあります。(私だけしかわからない書き方ですね、きっと)
そこがまたいい!

いつの間にかすっかりラテン。
山木さんと目を見て合わせています。
楽しそうな2人。

ピアノはずっと高いテンションを保って激しく。
ドラムは連打。
ベースの音はかき消されそうですが、陽介さんの指は忙しく動いています。

終盤に向かって、ソルトさんは笑っています。
ホントに楽しそう。
メロディを弾いてから終わらずにちょっと遊んでいます。
そして急にエンド。

MC

・最後に「Preciousness」という曲を。
・音楽は自分にとって本当に大切なものです。
 ソロアルバムを作ってもっとそう思うようになりました。
 そういう思いを込めて書いた曲です。

13.Preciousness / 「solo piano = solo salt」

ピアノのみでメロディから始まります。
ゆっくりと流れる時間。
鳴ってないときに気づく静寂。
さっきまであんなに盛り上がっていたのに、今はピアノを一音も逃さないように聴いている・・・。

優しい音が心に染みてきます。

毎年12月に行われる「Saltish Night」の最後にあるピアノのソロ演奏には、ソルトさんの感謝の気持ちが伝わってきていつも感動してしまいます。
それに似たものを、この曲に感じます。

今度はベースがメロディを。
素朴な飾り気のない音。
語りかけるような。
陽介さんの表現力も素晴らしい。

ピアノとベースのハーモニーで曲は進んでいきます。
本当に美しいメロディ。

長めの間があって、再びピアノだけになって最初のメロディをゆっくりと。
陽介さんが弓で合わせてエンディングとなりました。

(今日のこの曲はピアノとベースだけでした。昨日は山木さんも参加していたような。記憶違いならごめんなさい)

3人がステージの前に出てきてお礼。
バイバイと手を振りながら去って行きました。

21:41終了

終演後のサイン会で3人のサインをいただきました。
そのときの会話から。

リッキーさん(ソルトさんのマネージャー)「なんでいつも端で見てるの?」
私「端の方がゆったりできるんです。特にここは真ん中は狭いから。
  トリオ、またやってくださいね」
リ「スケジュールが合えばやりますよ」

ソルトさんに
私「トシですかねえ、最近涙もろくなりまして」
ソルトさん「(笑)涙もろくなった!」
私「なんでこんなに優しい音が出るんだろうとか、いい曲だなあとか思ったら、ウルッときてしまうんです。トシですね」
ソ「(笑)でもそれはいいことだよ。自分に正直になったということじゃない。
  (山木さんに)最近涙もろくなったんだって」
私「3人が泣かせるんだもの!」
山「おさむちゃん、それはトシとったんだよ!(笑)」

ソルトさんはフォローしてくれたんですが、山木さんにズバッと言われてしまいました。
ま、ホントにトシとったんですけど。
(と言ってもソルトさんとそんなに変わらない!)

私「山木さん、大変ですね。2人が好き勝手やるから(笑)」
山「私は受け皿ですから」
ソ・陽「何言ってんの!?こっちも大変なんだから!(笑)」

こうしてトリオの2日間が終わってしまいました。
やっぱり来てよかった。
このトリオは私の中では絶対に外せません。

去年のブルーノートでのライブとは曲も違い(全く同じでも私としては何ら構わなかったのですが・・・。特に「Earthory」は聴きたかった)ソロアルバムの中の新曲をまるでトリオとしての曲のように演奏してくれた3人の、息の合い方、自由さ、信頼感を再認識して、揺るぎないものだなあと思いました。

3人が同じ方向を向いていると、どんな曲でもできてしまうのですね。

ソルトさんの言葉にもある通り、アルバムのリリースがあってもなくても、時々トリオとしてのステージを切にお願いします!

3か月に1度くらい!?
(それはそれで財政面でこちらサイドがちょっと苦しいけど・・・)

もちろん、アルバムもお待ちしています。(来年かな?)

(以上、乱筆長文にお付き合いありがとうございました)

1日目のレポートもあります

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