塩谷哲 ピアノ・ソロ・コンサート 2008 in Takatsuki(高槻現代劇場中ホール)

塩谷哲 ピアノ・ソロ・コンサート 2008 in Takatsuki(高槻現代劇場中ホール、2008/3/1土 17:00~)に行ってきました。

ウッド感覚あふれる広々としたステージでした。
公演スケジュールを見ると翌日は「桂米朝独演会」となっていました。
売り切れたそうです。さすが米朝師匠!

ソルトさんのソロも負けずにほぼ満員の感じでした。
土曜ということもあってか、幅広い年齢層の方が見られました。

●ソングリスト

第1部
1.The Dew of Life
2.Keep Smilling!
3.Side by Side(We Go)
4.Ladies in Mercedes

第2部
5.即興演奏「変な感じ」
6.Do You Still Care?
7.Deep Affection
8.Life with You
9.Forest
10.Spanish Waltz

アンコール
11.あこがれのリオデジャネイロ
12.A Little Lullaby

モスグリーンのシャツで登場のソルトさん。
音がよく響いていいホールでした。

まず「The Dew of Life」っぽいなあと思いながら、強くなったりスローになったりして一区切りあって、やっぱり「The Dew of Life」が始まりました。
この曲にもよく出てくる、ソルトさん特有の優しい音も健在。
でも全体的に雄大で、盛り上がって叩くところもありました。

「ソロはいつもほとんど即興です。感じたことだけを弾きます。どの曲を弾くかも決めてないんです。
では次は楽しい曲を」

強く入った「Keep Smiling!」
メロディのところで指を鳴らしたりして、自由に羽ばたきます。
小さく高く進行したかと思うと、次の繰り返しのメロディは強く。
ソルトさんっぽい音に包まれながら、最後は跳ねて終わりました。

続いて「Side by Side」
軽快なソルトさんが映える曲です。
メロディがひととおり終わるとボサノバっぽくなりました。
スローで、一つ一つの音が際立ち、違う曲になったよう。
スイングしてる「Side by Side」でした。
今日のソルトさん、のってるとわかります。

「『Walts for Debby』になってしまいました。和音の運びが似てるんですよ。
この曲はジャズでポップな曲を作りたくて書きました。
どこまでいくんでしょ?今日も。なんか勝手に弾いてますね。1曲が長いし。次は短い曲を」

と言いながらもMCは続く・・・

41歳はおじさんだ、ファンクラブの会報にやっと入稿したから来週着く、忙しかったんです、ブログも更新してない、・・・

「今日はなんかおかしいなあ。みんながそうさせるんですよ。関西っていいなあ」

「次の『Ladies in Mercedes』という曲はGで始まってDフラットに行く、くるくる回る曲です」

「Ladies in Mercedes」私は久しぶりでした。
MCの余韻はどこへ、スッとその世界に空気が変わりました。
低く-高く-低く-高く-なりながら回っていきます。
クラシックのような盛り上がり方があったり、ブレスして高音で回りながら下りてきて強くなったり小さくなったり。

ここまでではや50分経過。
4曲で第1部終了でした。
濃い4曲でした。

15分の休憩後、第2部。
ソルトさん、休憩中に寝てたそうです。
寝てたといっても座布団の上に横になって3分ほど目をつぶっていたのだそうですが。

「なんか変な感じです。いい感じです。つぎの即興演奏も変な感じで」

この日の即興演奏は強くてハッキリしているイメージでした。
メロディもハッキリ。
「ねずみが走ったり」もして、急にエンド。

「Do You Still Care?」も熱演でした。
表現力の豊かさを感じました。
次々と音が繰り出し、きっと指の動きが半端じゃなかったのでしょう。
展開部では指を鳴らしたり、スローになって小さくなったかと思うと、サビの部分は力強く。
一台で弾いてるとは思えない、熱さが伝わってくる演奏でした。

この曲に関するMC。(概略です)
「小曽根さんと一緒に演奏して自由になった曲です。小曽根さんはそういう解釈をするのか、と。
小曽根さんとは2003年に札幌で共演して以来、ずっと影響を受けています。

曲は作って、置いておくと熟成するんですよね。他の人の曲のように弾けるんです。何にもとらわれなくなったとこに行くというか。音階はドレミファソでも実際はドレミファソではないんです」

続いて「Deep Affection」
一音一音に気持ちが入っているのが、わかります。
ソルトさんしか出せない優しい音でのメロディ。
聴き入ってしまって、どう書いていいかわからなくて、メモもあまりできませんでした。

次は「Life with Me」
この曲もソルトさんらしさが出てる曲だなあと感じました。
なぜでしょう。
昔からの曲で懐かしさもあったのでしょうか。
なんか、しあわせな生活の絵が浮かんできました。
短く思いました。これまでの曲に比べるとかなり。

「作曲や編曲が自分には合ってるなと思ってました。ピアニストとしてやっていこうと思ったのは最近のことです」

「昨日武道館で絢香のコンサートに参加してきました。絢香はしっかりしてます。世界の子どもたちが窮状に苦しんでいることを知ろうというコンサート。彼女、まだ20歳ですよ。音楽の力で変えていければいいなというメッセージです。
それでは私も続いてそういう曲を・・・そんな曲、用意してないですね、はい(笑)
『Forest』という、環境問題とも結びつく曲を弾きます」

初めはやさしく入って、2度目のメロディからは強く。
それは森のイメージとなにかしら一致して、連想を容易にします。
豊かな音、きれいな音。
森林浴しているよう。

打って変わって「Spanish Waltz」
私はデュオの印象が強く、聴きはじめはいつも「ここはソルトさんのパート、ここは小曽根さんのパート」と意識してしまうのですが、次第に「一人でのSpanish Waltz」に引き込まれてしまうのです。
ソロならではの自由さをこの日も感じることができ、熱演でした。

アンコール後。

「東京では白寿ホールというところで月1回ソロライブをしています。関西でも時々するんですが、客席から『おら、弾け!もっと弾け!』というのがすごく伝わってきて(笑)、心地いいです。また来たいです」

軽やかに始まった『あこがれのリオデジャネイロ」
音が多いところがソルトさん。
このメロディもソルトさん。
いつ聴いてもとても弾みます。
スローになったり、アップに戻ったり。

「もう1曲、子守唄を」と、「A Little Lullaby」
ここでも優しい音が随所に散りばめられていました。

以上、2時間15分の熱演でした。

サイン会では「Do You Still Care?」にグッときたことをお伝えしたと思います。(多分)
翌日クルセイダーズを名古屋に見に行くなんて全く個人的なことまで話してしまって、申し訳ありませんでした、ソルトさん。
いつも触れ合える機会を、ありがとうございます。

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